続・ストックを活かす
事務所の改修の続きです。
設計業務を進めながら、旧テナント事務所の解体と新事務所の工事の日々が続いていました。
旧テナント事務所で貼られていた板を再利用して地道に張っていきます。
元は6畳と4.5畳と8畳程度の台所を一室にする為壁を取り払い、筋交いはそのままに。
テナント事務所の本棚も移設して打ち合わせスペースの正面に設置しました。
新たに浄化槽を設置したので、そこから出てきた石を再利用し、アプローチを毎朝1時間ずつコツコツと作りました。
床は新しい畳に変え、照明は旧事務所の物を移設して、敷目天井にダウンライトというなかなか新しい挑戦をしてみました。
デスクも杉のJパネルと杉の根太を使い自作。脚の形状をさりげなく凝っているので、実際見た方は自作というと驚かれます。
ペンダント照明も、余っていた画用紙を折ってなんちゃってレクリントシェードを自作しています。
その他キッチンカウンターも端材の合板や野縁なので作ってみたり、自作の物で溢れています。
なんやかんや結構できるもんですね。貧乏性と言いますか有る物を大事にしたい気持ちが良く表れた空間になっています。笑
自宅じゃ出来ない事もここならいろいろと必要な物を自作でなんでも試作できるのが楽しいです。
外壁はシンプルに白い塗装を自分で塗って、庭にあった物置は古く底が抜けていたので撤去し広々とさせています。
庭木は大きなシンボルツリーを庭師さんに植えて頂いた以外は、自分で育てていた樹木を空いた時間を見つけては植えて作りました。
軒下には大工さんが移転お祝いという事で濡縁を作ってくれて、良い空間になっております。
新型ウイルスの事もあり、同級生や友人・職人さんなどの交流の場としても活用されているので建物も喜んでいるでしょう。
同級生は自宅には置いておけない思い出の品々を持ち込んできたり…最近は事務所を「おもいでの家」と呼んでいます。笑
中古物件(空き家活用)のメリットは、まずは自分たちで作るのが楽しめる方にはうってつけですね。
ある程度難しいところは職人さんに作ってもらい、自身でできる部分を自ら時間をかけて作っていく方法がベストだと思います。
増築や大きな構造を変える様なことが無ければ、固定資産税なども元の金額のままですので、維持費も楽になります。
新築の様な自由で思うが儘につくる事は出来ませんが、既存の建物を上手に活かすアイデアがあれば気に入った空間になると思います。
注意したいのは、既存の建物の構造や水回りなど、コストがかかりやすいところをしっかりチェックすることが必須です。
実際の建物を見て、場所と建物に可能性を感じられるかを見極めるのが大切です。
昨今、新型ウイルスや老後2000万円問題など先が見通せないご時世もあり、無理に新築を建てる事だけではなく、空き家を活用して経済的に無理の無い住まいや場所づくりをするのも、今回事務所を購入改修してみて、そのような選択肢も有ると実感しました。
身をもって改修の経験が出来たことも大きく、今後このようなお仕事にも能力を発揮できそうです。
空き家利用や改修のご相談ありましたらお気軽にご相談くださいませ。事務所も是非見学ください。