ストックを活かす
普段の設計では、新築の住宅を手掛けることが多いですが、この頃中古物件の改修する事・ストックを活かすという事に興味があります。
というのは、当事務所も中古物件を安く購入し、それを改修した経験もあり、改修の道のりと、メリット・デメリットなどについてちょっと書きたいと思います。
以前のテナント事務所は街中にあり特に不自由はしておらずむしろ快適でしたが、もっと自由に建物や庭を使え、気持ちよくゆっくりと打ち合わせや仕事が出来る環境があったらと思いはじめたのがきっかけでした。
土地探しをしていたところ、格安物件があったので早速見に行きました。
土地は、新幹線に隣接している事や、入口の道路が少々狭いという立地条件で、一般的には住宅として住むには少し住みにくい環境でした。
しかし、庭付きの事務所を求めていたので、住むわけでは無いし、陽当りも良く大きな木々に囲まれており印象も良かったので候補として検討をしました。
既存住宅があり、解体込み(更地渡し)で新車の軽自動車程度の金額でしたが、既存住宅を見させていただき、雨漏りや大きな欠損も無かったので、早速既存建物の改修プランを考えました。
既存建物を上手く使えそうだと可能性を感じ、既存残しで中古の軽自動車程度の金額で交渉できたため購入を決意。
購入となると、不動産屋さんで持ち主と契約書を交わし、司法書士さんに登記の手続きをして晴れて自分の所有物になります。
事務所の改修では、自身でできる部分は出来るだけ自分で行いコストを抑える様にし、自身でできない部分の見積もりをとり改修にかかる費用の見当をつけます。
自己資金と照らし合わせながら融資を受ける金額を決め、それまで借りていたテナントの月々の賃料に近い金額で無理の無い融資の期間としました。
ようやく改修工事がスタートするのですが、まずは考えていたプランを基に不要な部分を解体作業をしていきます。
6畳間と4畳半の畳の部屋と、台所を一室にして、打ち合わせスペースとデスクスペースにする計画で、仕事終わりに立ち寄ってはちょこちょこ自分で解体を進めていきました。
日頃デスクワークなので良い運動となりだんだんと片付いていく様子もまた気持ちが良かったです。
大体解体が終えると、大工さんとバトンタッチですが、ここでも自分でできる事は自分でやろうと大工さんと一緒になって作業をしました。
畳だった床に根太をながし断熱材を設置して合板下地を貼りました。
その上の仕上げの板は精度が要るので大工さんにお願いをしました。
新しい事務所の改修工事と同時に、既存のテナント事務所の解体も自身で進めました。
テナント事務所も少々費用をかけて杉板の壁や造り付けの本棚を作りとても気に入っておりましたが、勿体ないので上手にはがして、新しい事務所へ移設することにしました。
無垢の材料は再利用が出来るのでとても良いです。
そんなこんなで、テナントの解体と、夕方改修作業の同時作業の日々が続きました。
ちょっと長くなってしまったので続きはまた後日…