チームとして
建築を作ることは、一人ではできません。
現場では多くの職人さんが力を合わせて建物を作ってくれます。
基礎、大工、屋根、外壁、サッシ、建具、家具、塗装、内装、電気、ガス、水道、住宅設備、外構、植栽、、、等
小さな住宅でも何十人という人の力で出来上がります。
私はその中の設計士として、建物を建てる前のプランニング・設計をし、
工事中は工事が図面通りに出来ているかを確認する事(監理)をしています。
一般的には、設計者と施工者(監督さん)でしっかりとラインが引かれて各々の仕事をしています。
それが当たり前なのですが、
私は、現場も設計並みに重要視しています。
ただ、図面通りに作ってくれれば良いとは思いません。
設計者と施工者(すべての職人さん)とが連携をして良いチームであるべきと考えています。
私の仕事はここまでだと、決められたラインを引くのではなく、それを飛び越えて、
互いが手を差し伸べてやる事ができるチームでありたいと思っています。
もちろん私もこんなことは設計士がやる仕事ではないとラインをひかず、
現場に足繁く通い、現場で起きている状況を確認し、未然に問題回避をして施工者と共に最善の答えを導いていくことは勿論の事、
周辺の掃除や仮設トイレ掃除、荷卸しなどそこに居れば手伝ったり、休憩にはお茶を淹れたり、、、
些細な事ですが、現場の環境や雰囲気を良くし、スムーズに皆が仕事を出来る環境づくりをしていくのが務めだと思っております。
勿論、お施主様の代わりとして現場の監理をしているものですから、
図面と違っていたり、仕上がりが良くない時はしっかりと指摘をして直していただいております。
時には、チームを乱す方が居た場合は、監督さんを含めて厳しく指導をする事もあります。
嫌な役回りですが、心を鬼にしなくてはならないです。
監督さんや職人さんからしてみたら、口うるさい設計士かもしれません。
これも現場監督をしていた下積み時代のおかげでしょうか、
つくることだけではなくその姿勢にまで口を出してしまいます。
当時は設計の仕事をしたかったのに、理想の職場に就けず現場監督を(職人まがいな事も)
していて日々悔しい思いをしていましたが、多くの職人さんと接する事が出来、
職人さんの気持ちも良く分かる様になりました。
今となっては良い経験をし、ものづくりの本質を学べたと思います。
設計士(建築家)の先生方は、こんなことは設計士(建築家)の仕事ではない。とおっしゃるかもしれませんが、
私は純粋によいものづくりが出来て、お施主様に気持ちよく住んでいただければそれでよいのです。
独立してから日々自分のやり方について考えていたことを、ここに書き記しました。
今は良い業者さん職人さんと一緒にものづくりが出来ています。
現場に行く度に皆さんに感謝する毎日であります。
ありがとうございます。